とある東大生のブログ

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【下克上】東大生が偏差値40の小学生を1年で御三家に合格させる②【4月】

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こんにちは。とある東大生です。

 

今回は先日お話しした家庭教師の件について書きたいと思います。

 

具体的にいうと【現状分析】についてのお話ですね。

 

まずは【現状分析】として前回触れた生徒の情報について考察します。

 

【年齢】11歳(小学6年生)

【小学校】地元の公立小学校

【生活環境】二人兄弟の末っ子。親は共働き。兄は公立中学二年生。

【習い事】少年野球

【塾】SAPIX(週3)

【志望校】御三家の中学(ボーダー偏差値:60~65)

【得意科目】社会

【苦手科目】算数・理科

【現状の偏差値】40

 

ここで受験勉強をする上で気になる点が数点ありました。

 

①習い事が少年野球

②両親が共働きであること

③算数が苦手であること

④塾がSAPIXであること

 

①について(習い事が少年野球)

誤解を招くので予め断っておきますが、少年野球をしている、もしくは習い事をしていることが良くないことだと言いたいわけではありません。

 

ただ、実情として、少年野球は練習が二部制であることが多いです。これが何を意味するかというと、土日の片方、もしくは両方が一日中練習で潰れてしまうこと、家に帰ってきてから勉強をしようとしても疲労困憊で勉強は到底できる状態にないことが多いということがあります。

 

つまり、今の所、勉強ができているのは平日のみの週三回の塾の授業、残りの平日2-3日の17時から夜ご飯までの数時間のみであると思われます。週末にまとまって取れる時間を勉強に使えていないので、この時間ではどれだけ集中してやっても確実に塾でこなしていることを消化しきれず、消化不良を起こしていると推察できます。

 

今回のケースは1年弱で偏差値を20程度上げなければいけないので、最終的には時間との勝負になってきます。その観点から習い事、特に野球は時間を大量消費してしまう点で今年一年間は控えたほうが良いのではないかと考え、それはお伝えさせていただきました。

 

②について(両親が共働きであること)

両親が共働きであることは中学受験においてはマイナスの要素になるというのが僕の個人的な考えです。

(今時のライフスタイルにおいて専業主婦(or夫)という概念はもはやなくなりつつありますが。。。)

 

なぜなら、中学受験で一番大事なのは親の協力であると考えているからです。もちろん優先順位として金銭的援助が一番です。金銭的援助の次に重要なのは、中学受験ならではの難しいところになるのですが、それは親が子供をしっかり管理してあげることだと思います。

 

高校受験や大学受験の場合は、子供もある程度成長していますし、ある程度学歴社会といった現実も身近に感じているはずなので、勉強をする意味も頭の中ではわかっていますし(実際にそれを行動に移すのは難しいですが)、また子供も親の介入をあまり望まないので、それらは最小限であることが多いかと思います。

 

しかし、中学受験において、小学生が勉強をなぜしなければならないのかを完全に理解し、自発的に勉強をするというのは非常にレアなケースであり難しい事だと考えています。

勉強以外の何事においても言えることですが、最も大事になってくるのが基礎であり、基礎力(最低限の暗記事項、計算の正確さ、速さ)の底上げをするには、毎日地道な努力をコツコツ積み重ねなければなりません。その地道な努力は文字通り地味で、毎日毎日同じようなことをしなければならないのは、小学生にとってはとてつもない苦痛になります

 

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面倒だけど基礎が一番大事



僕も親父から受験勉強をする意味として「将来の選択肢を広げるため」と再三繰り返し教えられてきました。叱られた時は毎回この言葉を呪文のように唱えさせられていましたが、実際に地道に勉強をするのはとてもキツかったです。

 

子供目線からすると、中学受験は基本的に親主導でするものだと思っています。

高校受験や大学受験と違って、中学受験をしなくても地元の公立中学であれば進学できますし、小学校の友達もみんなそこに行くし、放課後に遊ぼうという友達の誘いを断って、わざわざしんどい勉強をしたり、塾に行かなければならないわけですから。

 

※僕の通っていた小学校は地元の中学に進学するのが大半だったのでこのように感じていましたが、同級生が皆当たり前のように受験する、または友達が目指す中学に一緒に行きたい、どうしてもこの中学に行きたいという強いモチベーションがあれば話は別だと思います。

 

僕の母は当時専業主婦であり、このような状況の中、僕の勉強をしっかり管理してくれたのは、かなり大きかったと思います。その点で振り返ってみると、母には感謝の気持ちしかないです。僕も大変でしたけど、そんな僕を管理する親も相当の苦労があったと思うので。

僕は親の目がない時にいかにサボってやろうかばかり考えていたので…笑

 

この点、どちらかの親が子供の勉強をしっかり管理できる状態にあるというのが僕の理想ではありますが、現実として共働きであるので、その環境をフォローできるよう配慮はするつもりです。具体的な方法論については次回以降に述べます。

 

③について(算数が苦手であること)

受験において明暗を分けるのは算数(数学)である。

これは大学受験においても同様です。中高を通して先生に言われてきたことですが、それは僕も同意します。

なぜ明暗を分けるかというと、算数が一番点差が顕著に分かれるからです。

 

例えば、国語と算数の平均点がどちらも50点だったとします。その時、一般的に点差が開きにくいとされている国語の得点分布は50点付近に集中し、50点から離れるにつれて人数は減っていくような図が多く発生します。一方、算数は30点のグループと70点のグループに二極化し、50点付近の人数が少なくグラフで表した時に谷間があるような図になることがしばしばあります。

 

要するに算数が苦手な人は入試において算数で大きなハンデを背負い、他の点差が開きにくい科目からなんとかゲインを得てそのハンデを埋め合わせしなければなりません。一方で、算数が得意であれば、大きなアドバンテージを得ることができ、他の差が開きにくい科目で最低限致命的なミスをしなければ良いという戦略をとることができます。

どちらが精神的にも実際にも楽かは一目瞭然です。

 

算数についての詳しくの方法論は後ほど述べますが、

算数が苦手な主な原因としては

 

・計算力が不足している

・図形アレルギーを起こしている

・速さの概念が体に染み付いていない

 

の三つが挙げられます。

 

世間で「あなたは文系脳だねor理系脳だね」「数学が得意ってことは右脳が発達してるんだね」とよく言われたりしていますが、それは疑似科学であり、もっとわかりやすく言えばです。

 

中学入試は要領で決められた範囲からしか出せないので出題のパターンは相当限られてきます。図形を見た瞬間に頭がフリーズしてしまうといったアレルギーさえ治してあげれば、訓練でいくらでも伸ばすことはできます。

※それでも灘中の算数などはひらめき力を相当要する問題も混ぜてくるので、灘だけは例外です

 

いかに早く苦手な算数を普通のレベルに追いつき、いかに一般レベルから引き離す(得意科目に持っていく)ことができるかが今回の受験の鍵を握ると思います。

算数ができない原因を早急に特定し、それに合わせた対策をする必要がありますね。

 

④について(塾がSAPIXであること)

通っている塾がSAPIXであることは注目に値するポイントだと思います。

 

中学受験を専門にした塾はたくさんあり、大手だけでもSAPIX、日能研、四谷大塚、関西では浜学園、希学園、馬淵教室などがあります。

同じ中学受験専門塾とはいえ、キャラクターはそれぞれ全く異なります。

その中でもSAPIXはキャラが相当トガっている印象があります。

 

というのもSAPIXを特徴付ける要素として「絶え間ないクラス替え&競争・膨大なプリント量」が挙げられます。関西でいうと希学園に一番近い印象ですね。(希学園は塾の看板にスーパーエリート塾って書いてありますからね笑)

 

SAPIXの最大の強みであり、最大の懸念ポイントがその二点であります。

分厚い教科書で授業をする他の塾と異なり、SAPIXは大量のプリントでバンバン解かせていくのが特徴です。教科書は大きいので失くすことはあまりありませんが、SAPIXはプリント主体なのでプリントの管理能力が重要になってきます。

いざテスト勉強をしようにもプリントがないとなってしまうと手の打ちようがなくなってしまうので…

 

絶え間ないクラス替えと競争に晒されるのもポイントだと思います。

 

僕が通っていた日能研はクラスが6クラスでクラス替えのタイミングがあるのは3か月に一度で、それもガラッと変わるものではなく、数人が入れ替わる程度でした。

つまり、良くも悪くも落ちにくく、上がりにくいクラス構成だったわけです。

 

それに対し、SAPIXは一ヶ月に一度クラス替えがあります。また、クラスも12クラスほどあり(正確な数は覚えていません。すみません。)、完全に平等な条件でシャッフルされるので、常にテストを軽んずることはできません。

 

つまり、日能研に比べ成績がそのまま自分のクラスに直結するので、常に尻に火をつけられている状態を作り出し、子供にサボらせない、テストに対する闘争本能を養うことはメリットとしてあります。

一方、それはしばしばテスト至上主義に結びつきます

子供が塾に通う理由としては、よりレベルの高い教育を受けること、すなわち自分の目標としている中学校の入試に受かることであり、その入試にパスするための学力を養うことが本来の理由であります。

つまり、2/1のテストに合格するために逆算して様々な授業やテストを受けているのに、目の前のテストで良い点を取ってより上のクラスを目指すという風潮になりかねません。その結果、来年の入試のために必要な能力を1年かけてじっくり養うという長期的な視野を持ちづらくなり、最悪目の前のテストで良い結果を出すために日々行っているトレーニングを投げ出して付け焼き刃に走る可能性をはらんでいます

 

それゆえにじっくり育成しながらも目の前のテストを一つずつこなしていき、目の前の結果に囚われないようコントロールしていく必要があります(もちろんじっくり育成しながら目の前のテストも良い結果を出すってものすごく難しいんですけどね。)

 

 

現状分析について話していたらなぜか野球の話のようになってしまいましたね。笑

まだ実績のない若手を一軍で使いながらもペナントレースで結果を出すのは非常に難しいわけです。まるで数年前の黄色の球団の話のようですね。

 

それではこの辺りで今回はお暇させていただきます。

次回は【授業を一ヶ月終えての感想】について書きたいと思います。

それでは次回の記事でお会いしましょう。失礼します。