とある東大生のブログ

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【下克上】東大生が偏差値40の小学生を1年で御三家に合格させる 第5講【5月】【カリキュラム】【前編】

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こんにちは。とある東大生です。

前回の記事はこちらです。

 

todaistudentlife.hatenablog.com

 前回③と④で生徒さんの特徴について書きました。

今回は一年を通しての来年2020年の2月1日までの具体的なカリキュラム戦略について書きたいと思います。

【カリキュラム編】は前編(夏休みまで)・中編(夏休み)・後編(夏休み以降)に分けてお話ししたいと思います。

ある意味ここからが本番です。

 

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①夏休みに入るまでが勝負

 

中学の入試の本番である2/1まで残り【8か月】です。

残り8か月で今のクラスのままでは(下から数えたほうが早い)データ上の合格確率は極めて低いでしょう。それは厳然たるデータであり、数字は裏切らないです。

 

ですから、一刻も早くクラスを上げていくのがマストです。

そこで僕が達成しなければならないミッションが以下のとおりです。

 

 

MUST:夏休みに入るまでに志望校別特訓に参加できる最低ラインのクラスに上げる

 

 

なぜ夏休みまでなのか。

 

夏休みは1か月丸々休みなので時間の使い方によっては差を大幅に詰める大チャンスであり、一方でサボってしまうと修復不可能なレベルで差を広げられ時間切れでゲームオーバーになる勝負の1か月である。

 

志望校別特訓のクラスに入ることの何が良いかというと、志望校の入試問題の傾向と対策に触れられる上に、それを受けているのは基本的にそこの中学志望の小学生ばかりなので、周りの受験の水準や自分の立ち位置を席次や生徒同士の情報交換を通して肌身に感じられる。

その結果、危機感が生まれ、勉強するモチベーションを失いにくい

つまり、夏休みの一ヶ月を有意義に使える。

 

志望校別特訓が本格的に開始するのが夏休み頃である。夏休み以降は特訓のメンバーを締め切って新しい生徒を受け入れないケースが多いので、志望校別特訓に滑り込む最後のタイミングである。

 

一方で夏休みまでにやらなければいけないことがあります。

 

それは【暗記事項の徹底的な見直し】です。

 

マンスリーのテストで好成績を出して、クラスを上げることだけを考えるのであれば、授業時間はひたすら次回のマンスリーの範囲のみ、かつ出そうな問題のみをピックアップしてひたすら解いて解説するという形をとればなんとかなると思いますが、このようにマンスリーばかりに囚われて【入試に合格するという目標】を見失うのは本末転倒です。

 

あくまでマンスリーは

日頃の勉強がうまくいっているかを測る目安】程度

使おうと思っています。

 

とはいえ、テスト範囲外の事を総まとめしながらも最低限マンスリーのための準備をしてクラスを上げていかないといけないので、

やらなければならないことが多い、そして今まで椅子に座って勉強する習慣があまり身についていない状態で地味な基礎的トレーニングを反復しなければならないので生徒もしんどい、そして努力量に対して結果がすぐに目に見えてついてこないので親子共にしんどい、というかなりタフな期間になります

 

夏休みにちゃんと時間を有効活用できるかが入試の合否を一番左右するのは間違いありませんが、夏休みに時間を有効活用するための基礎的な下準備、そして今までサボって抱えてきた負債を清算するイメージです。

 

ですから、この時期に下準備ができないと、夏休みを有効に使えない、つまりお話にならない状態になるわけです。

 

また、この時期に暗記を仕上げておくことが後々大きく効いてきます。

僕のイメージでは偏差値および実力が大きく伸びる時期が11月と想定しています。

 

つまり、7月までに前提となる知識を固めて夏休みで比較的難易度の低い典型問題徹底的反復し、9月以降は時間の使い方・捨て問の選別といった具体的なテクニックや応用問題に慣れる実践的な訓練を積み、それらが高いレベルで融合して一気に成績が急上昇するという算段です。

 

当然ですが、思考力というのは知識の上に成り立っています。というのも頭を使うには最低限の前提知識が必要です。

 

例えば、洗濯と皿洗いと掃除を45分以内に終えて家を出なければならないという状況があったとします。

この時、「どうやって45分以内で家事を片付けて外出の準備をするか」ということについて思考すると思うのですが(主婦の方は経験で考えなくても体が反応するかもしれませんが)

 

洗濯は一回スイッチを回せば、出来上がるまでに40分かかる。

だから先に洗濯のスイッチだけ押しといて、皿洗いを5分で済ませよう。

皿洗いのあとは掃除をしよう。掃除は20分かかる。

掃除を終えても洗濯し終わるまで15分ある。その15分で外出の準備をしよう。

いつもは外出の準備に20分かかるから今日はがっつりメイクじゃなくてお手軽メイクにしよう。そして口元はマスクで隠そう。

洗濯機ができてから家を出るまでは5分しかない。だから洗濯が終わったら超速で干そう。

 

という形で思考し、答えを出すと思います。

しかし、これらは掃除、皿洗い、洗濯、メイクにどれぐらい時間がかかるかが経験的に知識として頭にあるからこの思考ができるのであって、もし仮に引っ越したばかりでどれをどこに収納するかなどが瞬時に分からない状態であれば、つまり、知識があやふやな状態であればこのように時間の概算や思考ができません

 

 このように思考は大事だが、その大前提として知識が必要であり、秋以降に思考力をつけて成績を伸ばすために、今この時期に暗記を最優先にこだわらなければならない理由がお分かりいただけたと思います。

 

②具体的な方法について。

 

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ここからは具体的な方法論です。

僕は基本的に月水金の週3回、1回2時間で指導しています。

曜日によって、やる内容は変えたりしません。

7月までは基本的に同じ内容を続けます。つまり、暗記基礎レベルに重きを置いた授業内容です。

 

 

前半の1時間:暗記漢字熟語の宿題の確認テスト

後半の1時間:デイリーサピックス(算数)初中級レベルの問題を3問程度ピックアップして解かせる&解説(新しいデイリーサピックスが配られるまで毎回同じ問題を反復練習)

 

 

以上の通りとなります。

 

宿題については

 

国語:試験範囲内のサピックスの「漢字の泉」と「言葉ナビ」を1日2ページ(マンスリーまでに3周できる計算)

算数:サピックスの「算数基礎力トレーニング」を1日1ページ

理科:僕が購入した理科の参考書を1日2ページ暗記

社会:同じく購入した歴史地理参考書をそれぞれ1日2ページ

 

を生徒に課しています。(購入した参考書については次回以降に参考書編で紹介します。)

 

生徒さんに強調しているポイントとしては

 

毎日絶対に決められた量をコンスタントにやること。

②流し読みで終えるのではなく、その範囲の暗記事項を必ずその日は全て覚えること。その上で確認テストで思い出せないのは仕方ない

③自分で確認した時に一度でも思い出せない単語があったらチェックマークを入れること。

2周目以降は自分の間違えたチェックマークが入っている場所だけで良い。間違えたら、さらにその上にチェックマークを重ねる

 

この4点を徹底しています。

 

つまり、このルールの狙いは

 

①毎日一定時間机に向かう習慣をつける。

詰めの甘さを許さない。一方で各授業のテストに対して恐怖心を植え付けない。

③自分の苦手な単元・単語の可視化

④二周目以降は苦手分野のみを集中的に取り組めるので勉強効率が上がる。また、間違えた回数に応じてチェックマークが増えていくので、苦手分野の中でも苦手度がビジュアルで一目瞭然になる。

 

とりあえずこれを7月まで粘り強く続けることができれば、受験勉強をする上での基礎体力の面では問題ないレベルにはなると思います。

 

一方で、この勉強サイクルが破綻するパターンとして考えられるのは

 

宿題量が生徒のキャパシティを超えていて、やる気を失う

②確認テストのスパンが長く、すべての範囲を確認できなくなる→生徒さんが手抜きを始めても気付けない、またはやってないのにやったと嘘をつくようになる

 

この2パターンがほとんどだと思います。

それを防ぐため、量調整には相当気を配りながら、また授業時間を短くする代わりにスパンをできるだけ短くして(当初は月金でしたが、月水金に変更したので)確認を網羅的かつ狭い範囲で生徒さんも楽になるよう配慮しています。

 

これらのことは必ずしも家庭教師である僕だけができることではなく、手の空いている親のどちらかが毎日暗記確認をするのが望ましいのですが、現状として共働きで両親ともに相当忙しく、なかなか早く帰ってこれないなど事情がありますので、暗記テストは僕が担当しています。(今の時期で考えると暗記確認はそれだけ大事なので。)

 

それらはともかく、肝心の生徒さんが気持ち良く勉強できるよう、伸びた分だけ思いっきり褒め、モチベーションを削ぐようなネガティブな事は極力言わないよう気をつけて指導したいと思います!

 

だって主人公は生徒さんなのですから!!

 

それでは次回は【担当して初めてのマンスリーの結果】について書きたいと思います。

ぜひこ期待下さい。

それでは失礼します。