【旅行記】中国に行ってきました②【上海】
こんにちは。とある東大生です。
中国旅行の話の続きです。
前回は中国旅行の概要や反省点についてお話ししました。
今回からいよいよ本題です。
中国で受けたカルチャーショックや思ったことについて書いていきたいと思います。
【中国はもはや発展途上国ではない】
これは薄々気づいていたことですが、今回の旅行で確信したことです。
日本ではメディアによる報道のイメージでどうしても
「中国はものすごい勢いで発展しているが、未だ発展途上国であり、文化的にも後進国である」
というイメージは根強く残っていると思います。
ですから、このステレオタイプに僕も影響されて
「中国はどれぐらい日本に追いついてきているのだろうか?」
と思って上海に行きました。
しかし、一目でわかったのですが、
「どれぐらい日本に追いついてきているのだろうと思っていたら、とっくに抜かされていて日本のはるか遠くに行っていた。」
というのが正直な感想です。
それは経済的なレベルにおいても当てはまりますし、
テクノロジー的な観点から言ってもそうです。
これは認めなければいけない間違いない事実だと思います。
少なくとも、上海の中心部だけに限って言えば完全に中国の圧勝でした。
市内の富裕層の方たちと知り合う機会がありましたが、
皆さんの金払いの良さは凄まじかったです。
日本の上の上のレベルにまだ触れたことがないので、なんとも言えませんが、
おそらく富裕層の金持ちレベルでいうと日本より圧倒的に強いと思います。
その上、中国の方が経済的な勢いは圧倒的にありますから、
すでに広げられた差もこれからどんどん拡大するでしょう。
最近のニュースでも
「中国のGDP成長率が~年ぶりに低水準に」
といった中国経済の低迷を扱った記事をよく目にしますが、
それでも2018年の10-12月期の成長率は昨年同時期比でプラス6.4%ですからね。
日本の同時期のGDP成長率は1.7%ですから、いかにこの数字が凄いかは一目瞭然だと思います。
経済発展は実感しにくいものですが、身近に感じる尺度の一つとして建設があります。
日本も東京オリンピックに向けて現在建設ラッシュですが、上海も勢いは同等かそれ以上でした。ちなみに深センは上海よりも建設ラッシュの度合いがすごく、中心街付近の駅から街を眺めると至る所に高層クレーンがありました。
でっかい用地を使って高層ビル建設ですね。
中国語ですから、あまり詳細に読み取ることはできませんでしたが、
建設許可証的なものを眺めてる限り、総合病院の建設のようでした。
東京も渋谷などは今ガンガンに再開発が行われていますが、上海は地区レベルではなく、もっとスケールの大きい、上海全体がそのスピード感で変わっていっている印象でした。
【価値観の決定的な違い】
これは日本人である我々が普段から感じているであろう文化の違和感についてです。
同じ黄色人種で血統的なルーツも近いはずが、かなり文化は異なっていて興味深かったです。
というのも、中国人は
「目立ってナンボ」
というメンタリティーの人が概して多かった印象です。
日本では「空気を読む」「出る杭は打たれる」という言葉があるように、
周りと同調すること、控えめであることが美徳であるという風潮が強いです。
それに対し、中国人はガンガン主張していきます。
がっつき方が半端ないです。
例えば、「成金」を例に挙げてみましょう。
成金の中国人のインバウンドの購買力に対し、日本人はビジネスの対象としては歓迎しているものの、本音としては有無を言わさない圧倒的な購買力や主張の強さ(それはファッションにおいても同様)に、眉をひそめている日本人は多いと思います。
つまり、絶対まともな商売をしているはずがない、詐欺に加担しているはずだと、
日本人は「大金を稼ぐ」ことに対してマイナスイメージを持っているわけです。
一方、上海でできた友人に「成金」について聞いてみたところ、
「金を稼ぐことは能力の一つであり、
ないよりあるほうがカッコイイ
に決まってるじゃない!!
ファッションも自分を表現する手段よ。
周りに気を使って控えめな格好をするという行為自体が、
自分は自己表現をできないという姿勢を周りに発信していることなのよ。」
という興味深い意見を得ることができました。
また、金に対しての執着心が強いことに対しては、
「中国はつい最近までは超貧乏な国だったから、
僕らの世代でもおじいちゃんが
ど田舎の劣悪な環境下で育ってきたのを知っているんだ。
なんなら、政策の失敗で大飢饉が起きて、
飢えで死んだ親戚がいる話すら昔話ではなく
身近な世代で起きたこととして
おじいちゃんから聞かされていて、知っている。
だから私たちは貧乏に対する恐怖がすごい身近にあるのよ。
だからお金持ちになろうとハングリーに、ハードに働く。
それに見合うだけのチャンスが上海にはゴロゴロ転がっているから。」
と話していました。
世間話の中で何気なく聞いたことでしたが、
目の覚めるような意見に衝撃を受けました。
日本では今や身近な環境に生命の危機を感じるレベルでの
貧乏を経験している人は非常に少ないですよね。
ですから、金に対するハングリーさはあまりないですよね。
すでに遅れをとっているのに、ハングリーさに欠ける国と
先進国になってもなお、バイタリティーに満ちている国の
どっちが強いかとなったらそれは自明でしょう。
これを聞けただけでも上海に行った価値はあったなと感じているエピソードです。
【貧富の差がすごい】
日本と中国は決定的に異なるポイントが一つあります。
それは政治体制です。
日本は資本主義であるのに対し、中国は共産主義国家です。
つまり、建前上は
日本は「貧富の差を認める政治体制」であるのに対し、
中国は「全員が収入含め平等な社会」であるということです。
しかし、
中国、特に上海は日本よりはるかに貧富の差が大きいです。
上の写真を見てもらえれば分かるように、
風光明媚で整然と立ち並ぶ高層ビルのすぐ近くに、
ボロくて電線もぐちゃぐちゃになって整備も行き届いてない地区も存在しています。
むしろこれは貧しい地域というより、
20年前のスタンダード、みたいな環境だと思います。
上海の中でもトップクラスに高級な地区を爆走する
昔ながらの、ダンボールをパンパンに積み重ねた
明らかに過積載の自転車も
風景のコントラストとしては面白いと思います。
このように庶民と富裕層の差がえぐいです。
後ほど述べるエピソードでも登場する
仲良くなった中国人のモデルや北朝鮮の高官(!?)と話していて皆で納得したことなのでしたが、
「建前上俺たちの国は共産主義だけど
中国の方がヤマを当てさえすれば、頑張っただけ報われる点でよっぽど資本主義的だし、
日本は一定以上の富裕層は税金で年収の半分以上持ってかれるから
頑張っても頑張っても報われないし、
文化的にも稼いでるやつが嫌われる風潮があるし、
日本なんか餓死するやつ多分全然いないし、
働かなくても生活保護で生きていけるし、
どこ行ってもみんな同じような生活レベルだから、
日本が多分一番世界で成功している共産主義国
だと思うよ。」
このような話になりましたね。
その二人が指摘していることはなかなか的を得ている意見なのではないかなと思いました。
とりあえず今回はここまでにしたいと思います。
また次回以降もすぐにあげられるよう善処いたします。
それでは失礼いたします。次回の記事でお会いしましょう。