【下克上】東大生が偏差値40の小学生を1年で御三家に合格させる 第10講【6月】
こんにちは。とある東大生です。
前回の続きについてのお話です。
前回の記事はこちらです。
今日は【苦悩の内容とその原因】について具体的にお話しようと思います。
【苦悩の内容とその原因】
①いつ雷を落とすか、そもそも落としていいのか
これについて最近悩んでいます。
お金をもらう立場だからこそ怒るのはダメなのか。
お金をもらっている立場だからこそ厳しく言わないとダメなのか。
そもそも生徒に奮起を促すための手段として「叱る」ということが有効なのか。
反抗期が目前に迫っている中、身内の者ではない一介の家庭教師に叱られて、
心を完全に閉ざしてしまうといった様々なリスクを考慮した上でも、この手段を取るべきなのか。
しかし、最近の生徒さんの態度は、受験生として考えるとあまりにも目に余るものがあります。明らかにダレています。
以前【カリキュラム編】でもお話ししましたが、家庭教師としては週6時間しか入ることができないので残りの162時間をいかに過ごすことの方がはるかに重要です。
ですから、この時期は残りの時間も有効に使ってもらう、そしてその習慣をつけるべく、徹底的な基礎反復の宿題を生徒に課しています。
しかし、最近授業のために家を訪問すると明らかに寝起きであることが増えてきています。また、宿題の確認をしても「あ、明らかにやってないな」となる回数が増えてきています。
疲れて学校から帰ってきてそのまま寝てしまうのは仕方ありませんので何も言っていませんが、宿題をやってないと思ったらその都度「ちゃんと宿題やらなあかんで」と優しく諭していますが、改善の見込みがありません。
授業の時間は非常に短いですし貴重なのでマックスに集中してほしいですし、
それ以外の時間も有効に使ってもらうために「最低限」の量を宿題として課してるんですけどね。。
それすらも崩壊してきているのが現状といったところです。
結果を出せていないことに苛立っているのではなく、
(今でないのは当然なので)
結果を出すために必要な量の努力をしていないのに
「僕は頑張っているのになんで結果が出ないんだ」
とすぐ一喜一憂する、つまり受験というシビアな勝負に対する姿勢が甘すぎる
ことに対して苛立っており、そこは絶対に正さなければいけないと思っています。
これらの原因としては、生徒さんが僕の反応を見ながらサボる要領をつかんだか、二ヶ月授業が終わって慣れが始まっているか、ナメられているかのどれかであると考えられます。
つまり、
最低限の量すらこなしてくれてない状態なので、
勉強してもらうための「手段」として「雷を落とす」という手段をとろうか迷っているということです。
さて、仮に雷を落とすとして、
雷を落とすことで「やらないと怒られる」という
「恐怖」を植え付けてやらせることができるので短期的には効果がありますが、
長期的視点で見ると僕のいない時にサボることになるので
根本的解決にはなりませんよね。
また、叱ることで多少態度が変わって勉強してくれるのであれば全然良いですが、
今生徒さんは反抗期に入りつつありますから、
耳を完全に閉ざしてしまうリスクがあります。
耳を完全に閉ざして反動で一切勉強しない期に突入してしまうと、ただでさえ時間が足りない状況ですから、目標達成がより厳しくなってしまいます。
仮に叱るとしても感情をぶつけるだけなのは絶対に避けなければなりませんし、
フォローも忘れず飴と鞭のバランスを考慮しなければならないといった難しいことを考えれば、
必ずしも「叱る」という手段をとらなくてもいいのでは、
他にもっといい手段がないのか、
安易に「叱る」という手段に走るのは軽率ではないのか、
などと悩んでいる最中です。
②達成しやすい低い目標を積み重ねるより100を要求して80ぐらい達成する方が結果的に良いのではないか
僕は今カリキュラム的に、目の前に小さなハードルを設定して越えさせ、成功体験を積み重ねて、相手を乗り気にしてスピード感を持たせ、どんどん越えるハードルの高さを上げていくイメージで教えています。
数値的に例えると、現在の実力を20, 御三家合格に必要な学力レベルを100とした場合,
20→30→40→50→60→70→80→90→100
といったような感じで細かく段数を設定し、段階を踏んで駆け上がっていくイメージです。
しかし、それはあくまで理想であり、現実としてはなんとかして一つ目のハードルを超えさせてみたらそこで胡座をかいて昼寝を始めてしまっているような状態です。
つまり、スピード感が全くないですし、当初の僕のイメージより成長感が追いついていない感じに不安を覚えています。
この手法の強みは、
小分けにすることでスピード感を上げ、
また精神的な障壁を減らしたり、
漠然とした合格までのイメージをより身近に、鮮明に感じさせることですが、
一つのハードルを越すごとに満腹感を覚えて立ち止まってしまうようではかえってスピード感が失われるので逆効果です。
つまり、常に満腹感を感じさせずハングリー意識を駆り立てる、
最初に120を要求してそれに向かって頑張ってもらって最終的に100まで引っ張り上げるイメージの方がいいのかなと思って悩んでいます。
少なくともそうすれば満腹感で立ち止まったりすることはありませんからね。
それはそれで途中で心が折れてしまったり、 道を見失って迷走するリスクが高いといった弱点はあるんですけどね。
③親を諌めるタイミング:誰かが鬼にならなければいけない
これも僕がやるべき仕事ではないと当初は考えてましたし、
非常に難しいことなんですけどね。
常々言っていますが中学受験は親によって決まると言っても過言ではありません。
なぜなら、弱冠12歳の子供が将来の目標を見据えて自分を律して勉強をするなど無理があるからです。
「環境が人を作る」といった類の名言はいつの時代にもありますし、それは経験的にも本当だと考えています。
親が東大卒の家庭は子供が東大に行く確率はかなり高いですし、それは親が医者の場合も同様に、子が医学部に進学する確率はかなり高いです。
高校の場合で言えば、灘高校や開成、麻布、筑駒あたりの高校は毎年当たり前のように学年の半分ぐらいが東大に入っていきます。
なぜそれが可能になるかというと、
伝統もしくは雰囲気として、学内に「これぐらいやるのが普通」という高いスタンダードがあって、自然と「俺もこんぐらいはやらなあかんな」という気持ちになり、
そのスタンダードに乗っているだけでいつの間にか高いレベルに到達しているからです。
つまり、彼らは「大して無理をするほど頑張っていない」感覚で東大に受かっていきます。それは知らないうちに習慣になっているからです。
これは小学生についても同様です。
御三家特訓クラスに入れば、周りの水準に慣れていってそれが当然になりますからね。
現在はまだまだ習慣が定着していませんし、
クラスも下なので周りのスタンダードも高くないので
自発的に勉強を促すのは難しいです。
御三家を射程距離に入れるクラスの生徒はおそらく
今の時期は1日に7時間程度勉強をやっていると思います。
それは当然しんどいですが、「それをやるのが当たり前」という雰囲気や
「やらないと置いていかれる」といった危機感を身近に感じてやっているので、
おそらくみなさんが想像してるより苦痛の度合いは少ないかもしれません。
むしろ、今のクラスはおそらく1日に多くても2・3時間程度しか勉強しない文化なので上記のような生活は絶対に想像できないでしょうし、
仮に1日7時間勉強の生活を真似しようとしても周りのスタンダードがないので、想像を絶する苦しさになってしまうでしょう。
これが「受験は団体戦」と言われる所以です。
つまり、今の至上命題は一刻も早くより上のステージへ生徒をあげることなのです。
ですから、軌道に乗せるまで(少なくとも御三家特訓を受ける資格のあるクラスに到達するまで)が今回の受験指導においては一番のハードルであり、そこまではマンスリーで結果が出て前回よりクラスが上がったとしても、現状に満足せずひたすら向上し続ける必要があります。
つまり、子供の勉強を管理する親がマンスリーやサピックスオープンの結果に一喜一憂してはいけません。
ですが、今回の生徒さんの親が一番目の前の結果に一喜一憂するので。。。
親の態度は子供に必ず伝播しますからね。
多少クラスが上がっただけで甘やかしてしまいますし、悪い結果を出せばヒステリーを起こして子供を叱り飛ばしてしまうんですよね。
また、怒り方も子供の取り組みといった姿勢や行為についてしかるならまだしも、
「なんで勉強しないの!!!バカなの!??」みたいな形で叱ってしまうので子供からすると人格を否定されてるように感じてやる気を失ってしまうんですよね。
もちろん身内ですし、親の金もかかってるのでこうなるのは理解できないこともありませんが。
ただ、親がこのように気分にムラがあると、子供が落ち着いて勉強できるはずがありませんからね。。
そこは変えなければいけないポイントだと思います。
一方で、カリキュラムに沿った日々の宿題の消化といった、
ついサボりがちな無味乾燥とした作業をこなす上で、
親の厳しさといったものが一番必要になるのですが、
一番必要なところで踏み込んで言えない様子があるんですよね。
やっぱりどうしても、子供がしんどそうなところに厳しく要求するのは体力も消費しますし、親心的にもやはりかわいそうだなとなって躊躇してしまうところがあると思うので。
あとで教えてもらったことですが、僕が受験生だった時(6年生になりたての頃)、
母が個人面談で塾の担任に言われたことがあるそうです。
「ここから一年間は子供がかわいそうに見えても鬼になってください。
そうしないと後で地獄を見るのは子供です。
子供のためを思って、お願いなので鬼になってください。」
小学生の時はなんでこんな勉強しないといけないんだ、もう辛い、でもやらないとお母さんにめちゃくちゃ怒られる、などと色々思っていましたが、
今振り返ってみると必要不可欠だったと思います。
小学生で独力でここまで律することは不可能だと思います。
ですから、ここら辺の心構えはそろそろ生徒さんのお母様にもお伝えしなければいけないのかな、と思っています。
【まとめ】
以上が最近抱えている僕の苦悩の話でした。
要するに愚痴です。
しかし、やはり成績が出ないのには確実に理由があってそれが授業をするごとに判明してきているので、それはむしろ今の時期でよかったかなと思っています。
本当の勝負は夏休みの40日間ですから。
受験生活なんか良いこともあれば当然悪いこともあります。
下ばかり向いていても仕方ありません。
これらも含めて楽しんでいこうと思います。
それでは本日は失礼いたします。次の記事でお会いしましょう。さようなら。
毎度たくさんの人に読んでいただきありがとうございます。
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